混沌とした灰色の世界から、いよいよ愛があふれる桃色の世界へ・・・
ゆずの新曲「LOVE & PEACH」は世の中の空気の色合いを一気に変えていく突き抜けたパワーと躍動感と高揚感とを備えた楽曲だ。
フジテレビの夏のイベント、“お台場合衆国”のテーマソングにもなっていて、陽気なエネルギーが詰まっているポップでジューシーな曲。
聴いていると、つい踊り出したくなるお祭りソングでもあるのだが、ただ楽しいだけの歌ではない。
悲しみや苦しみが存在する世界だからこそ、そして混沌とした空気が漂っている時代だからこそ、より威力を発揮する曲でもある。「Hey和」や「from」など、最近のゆずのシングル曲とは対極にあるカラフルでにぎやかな曲調だが、今、これが歌いたいんだという強い必然性を持っているという点と生命力を感じさせるという点では共通している。
この歌が2011年の夏をさらにカラフルに彩っていくのは間違いないだろう。
●ツアー“2-NI-×FUTARI”について-----
▼ツアーについてもうかがいたいのですが。震災の影響で、当初予定していた“2-NI-”ではなくて、 “2-NI-×FUTARI”というふたりだけの弾き語りも交えた変則的な構成のツアーで始まったわけですが、ツアーの前半が終了して今、どんな気持ちですか?
- 岩沢
- よくやりきれたなって思います。スタッフの皆さんも一丸となって、メンバー全員もひとつの方向を向いて、本気で一致団結してやれた。もちろんこれまでも本気でやってきたんですが、今回は特にみんなが同じ思いでやることが出来た。自粛してる場合じゃないだろう、今やらずして、いつやるんだっていう思いを共有しながら、やることが出来たし、みんなで一緒に作ったツアーになったので、すごくいい前半戦でした。
- 北川
- 僕も同じ気持ちですね。自分達が今まで作ってきた音楽、歩んできた道のりも誇りに思えたし、自分達を支えてくれてるスタッフにも改めて誇りと敬意を持って回れるツアーになりました。今まで積み上げたものがなければ、こういう形で、こういう状況の中でアリーナツアーはできなかっただろうし、ゆずにとって大きなターニングポイントにもなりました。あと、ツアーをやりながらも、ずっと東北に行けないことが引っかかっていたんですが、みんなで話し合って、東北ツアーに行けることになって、次に繋がって、良かったなと思っています。
▼ツアーとは別に、仙台市役所横市民広場で、路上ライブをやったりもしたんですよね。
- 北川
- あれも自分達が今までやってきたことがあったからこそ、できたんだと思っています。来てもらった方に喜んでもらえることが目的だったんですけど、聴いてくれる人があっての自分達の音楽なんだなって、改めて再認識しました。仙台に4月22日に下見に行ったんですけど、その時、FM局の方に「こういう時はどういう曲をかけたらいいか、迷うんですが、ゆずの音楽はたくさんかけられるものがあったし、たくさんリクエストもあったし、素晴らしいです」って言っていただけて、それがすごくうれしかったですね。
▼“2-NI-×FUTARI”ではまず弾き語りで「雨と泪」と「贈る詩」を歌っていましたが、震災後のこの時期にもすごく響いてきて、ゆずの歌は生きているな、普遍的だなということも感じました。
- 岩沢
- 毎回、同じことをやったとしても、同じじゃないというか。音楽が生きているというのと同じように、お客さんも生ものというか、その日によって、まったく違うんですよ。やるべきことは同じなんですが、こちらの気構えも毎回、変わっていく。ほんのちょっとしたことだったりするんですけど、どのタイミングでイントロを弾いたら、うれしいんだろうとか、そういうことが毎回、違う。そういう反応を察知したり、想像したりしながら、毎回、取り組んでいくわけでそういう意味でも非常に生ものだなと思います。
- 北川
- 今回のツアーほど、その時々に対応しながら、変化していったものはないんじゃないですかね。同じ曲をやったとしても、そこで流れる空気に地域差があったし、会場ごとに環境や状況もまったく違っていたので、まさに“THIS IS LIVE !!”みたいな感じだった。毎回試される感じだったんですけど、そういうライブを経て、“2-NI”のツアーに変えていくことにしました。
▼それも大きな決断だったのではないですか?
- 北川
- 多分、3月11日に止まってしまったものがたくさんあると思うんですけど、僕らがステージを通じて、夢を叶えていく姿を多くの日本の皆さんに届けていくこと、みんなが踏み出せずにいる一歩を率先して踏み出していくことが大事なんじゃないかなって。時代背景だったり、節電のことだったり、迷った部分もあって、“2-NI-×FUTARI”をやりきった方がいいんじゃないかとも考えたんですが、僕らが率先して止まった時計を動かべきなんじゃないかという結論に達して、こういう形での追加公演を決めました。
- 岩沢
- 最初から“2-NI-”としてやっていたら、ここまでの意識でステージにのぞめてなかったかもしれないとも思うんですよ。何も起きずに、初日を迎えていたら、いつものアルバムのツアーをやっていたんじゃないかなって。“×FUTARI”がついたツアーを踏まえることで、さらにプラスαがあるだろうし、そうじゃなきゃいけないし。
▼しばらく“YUZU ARENA TOUR 2011 2-NI-”があって、さらに東北ツアーもありますが、この夏の抱負というと?
- 北川
- ツアーの合間には加山雄三さんのイベントやお台場合衆国のイベントに参加させてもらったりもするので、ともかく歌い倒すぞっていう感じですよね。ここ最近、毎日歌ってるような印象があるんですが、それだけ自分達の歌を必要としてくれてる人がいるということでもあるので、ありがたいことだなと。ともかく今年は歌いまくって、最後まで突っ走りたいです。
- 岩沢
- ずっと『2-NI-』というアルバムとも向き合ってる感覚があるんですが、ここまできたらアルバムともツアーともがっぷり四つというか、とことんやって、“2”という文字がすりきれて、“1”になるぐらいまでツアーを完遂させたいと思ってます(笑)。
▼新曲「LOVE & PEACH」について....
≪インタビューの最初へ戻る