刺さりつつ、染みつつという感じですね。北川さんはこの曲に関しては?
- 北川:
- 懐かしいっていう気持ちがまずあって。久しぶりだなって。岩沢くんが遠吠えって言ったけど、35 になり、いろんなこともわかってきて、19の頃の歌ってる言葉って、確かに遠吠えだなって思う気持ちもあるし、その時の自分たちに対するリスペクトもあるし。今は絶対なくなってる部分もあるだろうし。今、歌う側としてもその2つの気持ちで歌っていた気がしますね。
- 岩沢:
- ドーム公演で、2曲とも結構大変だったのを思い出しますね。「うすっぺら」も「おじや」もどうやってもいいんですよ。大元は自分たちの中にあるけど、皆さんは知らないわけですから。お化粧することも出来たけれど、あえてそのまま出したっていうのはわりといい勇気だったなと(笑)。
- 北川:
- ハモりの微妙なところ、ここでこういくかっていうのもほぼ再現しました。
「おじや」は2005 年発表のファンクラブ限定販売のDVD に入ってる曲でもあります。
- 北川:
- 年越しライブでやったのは覚えていますね。作ったのは2003 年の年末。アルバムでいうと、『1 ~ONE~』の制作に入るちょっと前に作りました。
気持ちがそのまま歌になった曲ですね。
- 北川:
- 僕を育ててくれたおばあちゃんが入院していて、その頃に年越しライブのリハーサルをしていたんですが、家にいる間に曲が出来ちゃったんで、岩沢くんにリハーサルのときに「新曲やりたいんだけど」って言ってやらせてもらったんですよ。
- 岩沢:
- 1 回こっきりしかない年越しライブで、いきなり新曲を振られて、マジかよってすごい緊張感ありました。歌詞とか全然覚えられないんですけど(笑)。当時はホントに寄り添ってる感じ(笑)。
- 北川:
- 「うすっぺら」も「おじや」もアルバムに入っててもいい曲なんですが、タイミングってあるんですよ。「おじや」の場合はおばあちゃんが年明けに亡くなってしまって、その後に「白鳥」という曲を作ったので、「おじや」は自然に歌う機会がなくなっていった。でもこういう機会だし、久しぶりに歌おうかなって。
京セラドームで歌っていて、感じたことというと?
- 北川:
- 「うすっぺら」をやってる時と共通しているんですけど、そのときに湧き上がった感情だけで歌ってることへのちょっぴり恥ずかしい気持ちと、そうやって出来た曲のすごさを感じながら、やってましたね。
まわりでたくさんの人が泣きながら、聴いていました。
- 北川:
- 個人的な歌だし、作った時は多くの人に聞かせようという気持ちはなかったけど、共感してもらえる歌になっているのかなと。聴き所は、京セラドームは初日ということもあり、曲を締めるときの2人のちょっとしたタイミングの違いですね( 笑)。
- 岩沢:
- スリリングな終わり方になってますね。東京ドームはそうでもないんですけど、2曲ともメインボーカルを取ってるほうと取っていないほうの差が激しいです(笑)。
- 北川:
- でも京セラドームは初日ならではの鮮度とレア感があり。
シングルのジャケットに映っているのはマリンタワーですか?
- 岩沢:
- テーマがノスタルジーというのもありつつ、デザイナーさんが僕らもよく知ってる昔のマリンタワーを提示してくれたので、これはすばらしいなと思って、これですって指さしちゃいました( 笑)。ジャケットのは赤と白ですが、今のマリンタワーは銀色ですね。
- 北川:
- ノスタルジー、横浜、ゆずみたいなことのを1つにするとこういう形になったということですよね。
- 岩沢:
- 実際に写真をお借りして、5m四方くらいに引き延ばして、その前で撮るというおもしろい手法で撮影しましたね。これぐらいの合成、今の時代、いけそうな気がするんですけど、これもこだわりであえてそういうやり方で撮影しているという。それはちょっとおもしろい手法だなと思います。
シングルリリース後には、“YUZU LIVE CIRCUIT 2012~二人で、どこへでも~” と“YUZU LIVE CIRCUIT 2012~みんなと、どこまでも~” と2本のツアーがあります。
- 北川:
- 当初はドーム公演だけで15 周年のお祭りをやりきっちゃおうかなと思っていたんですけど、みんなに来てもらったことがすごくうれしくて。僕らもみんなのところに行って、15 周年の感謝の気持ちを伝えにいきたいなって途中から思い始めて、リハをやりながらだったんですけど、急遽会場も無理を言って押さえてもらって、今度はオレらが行こうって決めました。こういう機会なんで、普段ツアーで行けない場所にもいきたいと思ったんですよ。昔、最初に体育館ツアーをやった横浜文化体育館とか、いつもと違った場所がいい。記念ライブなので、ドーム同様楽しく一緒に盛り上がってもらえればいいかなと思ってます。
- 岩沢:
- 「FUTATABI」もそうだったんですが、ゆずをやっていく上で、2人だけの弾き語りは欠かせない大事な要素だし、やったことで得たものは大きかったので、今回も少しだけでもいいから、そういう形で回りたいなって。弾き語りツアーがあって、バンド編成でのツアーがあるという方が我々的にもやりがいがあるし、もっとやらなければという思いが強くなるという。カウントダウンライブも久しぶりにやるんですよ。北海道で年を越したことがないんで、それも含めて楽しみですね。
ツアーは来年2月まで続いていきます。15 周年で区切りをつけた後も、全然止まらず走っていますね。
- 北川:
- よりマイペースでいいかなと。いいものをちゃんと作って、1本1本のステージを大切にしていきたいですね。
- 岩沢:
- タイトルにもあるように、『YUZU YOU』というベスト盤ありきのツアーなので、ドーム公演の内容を完全に再現するとかではなくて、その会場ならではのライヴにしていけたらといいなと思っています。そこにベスト盤の感じとか、ドーム公演の感じをどう織り込めるかが楽しみですね。それプラス、ステージに立つことで見えてくるであろう、次なるものを模索しながら、旅をしていけたらいいなと思ってます。