WONDERFUL WORLD基金 植樹プロジェクト 訪問報告

WONDERFUL WORLD基金による植樹を見届けるために、北川悠仁がゆずとゆずチームと基金に賛同してくれた皆さんを代表して、2009年3月15日からアフリカはケニアにあるカクマ難民キャンプに行ってきました。そこで行われた植樹の模様や、今後の植樹の展望・展開を報告いたします。尚、詳細については「国連UNHCR協会 WONDERFUL WORLD基金ページ」でご覧頂けます。

【植樹活動】難民の受け入れで疲弊したキャンプ周辺の土地や、難民の帰還などで人が住まなくなったエリアに、緑を再生させ、環境を保全することはUNHCRの重要な施策の一つです。

[1.育苗]カクマ難民キャンプにある3つの施設では、合計7万5000本の苗木が育成されています。

[3.グリーンベルト]フェンスの向こう側の緑が生い茂っているエリアがグリーンベルト。今回のプロジェクトによって、合計3万9000本の在来種の苗木が、50ヘクタールのグリーンベルトに植えられます。3本の苗木をまとめて植えることで、90%の苗木生存率を目指しています。

[4.家庭への苗配布]キャンプ周辺の世帯や施設に3万6000本の苗木を配布します。暑く埃にまみれた難民キャンプでは、植樹による日除け、風除けは、難民たちの生活に不可欠です。

[2.植樹]カクマ難民キャンプでの植樹セレモニーが3回あり参加しました。プロジェクトにご寄付くださったゆずのファンの皆様、国連UNHCR協会の支援者の皆様を代表して、ゆずリーダー、北川くんが心をこめて、植樹を行いました。マンゴーや柑橘類などの実のなる木が2~3年後、大きく育つ予定です。

[5.ゆずパーク]カクマ難民キャンプの2~3ヘクタールの土地が『ゆずパーク』となります。雨季の開始とともに木が植えられることになっています。『ゆずパーク』が難民たちの憩いの場になる日が楽しみです。

植樹活動の概要

苗木育成 どんな木を植えるの?

カクマの厳しい環境で育つ種

・苗木の種は、難民キャンプおよびナイロビにある森林研究所から調達されます。アカシア、ニームなど在来種、外来種がありますが、厳しい環境で育つ種を選んでいます。

少ない水で育つ種

・木が育成するために必要な水は、難民や地域住民が生活していくためにも必要な水です。人の手をかけることなく、雨水だけで育つ種を選んでいます。

3本まとめて植樹

・一本の苗木を植えるだけでは、枯れてしまう可能性が高くなります。そのため、3本の苗木をまとめて植樹します。

植樹活動 どこに木を植えるの?

グリーンベルト

・キャンプを囲む合計50ヘクタールのグリーンベルトによって、森林の再生を目指し、3万9000本の苗木を植えます。

難民や地域住民の家庭や施設

・キャンプ周辺の世帯や施設に3万6000本の苗木を配布します。

難民がふるさとに帰った跡地

・カクマ難民キャンプでは南部スーダン出身の難民たちが故郷のスーダンに帰りつつあります。難民たちが帰還した跡地は再生が必要です。10ヘクタールの土地を蘇らすことを目標とします。

『ゆずパーク』

・難民たちが収入創出活動を行う施設の隣、2~3ヘクタールの土地が『ゆずパーク』と名づけられ、難民の憩いの場になります。

環境教育 活動は続いていくの?

環境教育の実施

・難民と地域住民が実際に環境保全の大切さを感じられるように、環境教育を3つの地元組織と、若者1500人、女性1000人を対象に行います。

・また、環境教育の担い手として教師200人と学生300人を対象に環境教育についてのトレーニングを行います。

プロジェクト体制

・天然資源の管理体制について定期的な会議を設定しています。

・プロジェクトは、UNHCR、ドイツの援助団体であるGTZに加え、ケニア政府や地元団体と連携しながら運営しています。

苗木の生存率は、グリーンベルトで90%、家庭で60%を目指しています。

“日差しの強いカクマでは、木陰が大切。『ゆずパーク』には、難民たちの憩いの場所としてベンチを置きたい。”(GTZ代表)

“植樹はひとつのゴールだけど、木が成長していくのと同じように、活動も続けていくことに意味があると思います。”(ゆず 北川悠仁)

北川悠仁メッセージ

ワンダフルワールドの楽曲制作にあたって、UNHCR関係者から話を聞く機会がありました。そこで、今世界で起こっている様々な問題、そんな困難な状況にありながらも力強く生きる人々の姿に感動し曲を書きました。何かをしてあげるという上から目線ではなく、どんな環境であっても夢を描く難民たちの強さから僕自身が元気をもらったから、感謝の気持ちを伝えたかったのです。

支援活動は現地に赴かなくても日本で行うこともできるかもしれません。でも、難民キャンプを訪問して、自分の目で見て、心で感じて、握手をし肌に触れて話をすること、それがとても大切でした。本やインターネットなどの情報だけではわからないことをたくさん学びました。WONDERFUL WORLD基金の結果としてケニアの難民キャンプで植樹を行ったことはひとつのゴールだけど、植樹した木が成長していくのと同じように、僕らの活動も続けていくことに意味があると思います。

水、食糧、生きていくために必要なものの支援はもちろん重要だけれども、僕はミュージシャンとして、音楽を通じて、どんな困難な状況にあっても、人々が希望を持ち続けられるような活動を行っていきたいと考えています。過酷な環境の中でも希望を見失わず力強く生きる若者たちに少しでも多くのチャンスの機会を与えられるように、これからも音楽を通して様々な活動を続けていきたいです。これからの若い世代に、このアフリカの大地に、音楽で得たものを還元していきたいです。

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