イロトリドリ

すでにお茶の間で多く流れている『イロトリドリ』ですが、制作はどのあたりから始まった曲ですか?

北川
聴いた時にワクワクするような曲が作りたいと思って、昨年10月頃に作り始めたのがきっかけです。まっすぐに作るというよりは、『イロトリドリ』では遊び心を詰められるだけ詰め込みたいなと思っていましたね。

『REASON』がこれまでにない世界観でクールな要素も含んだものであった一方で、『イロトリドリ』は“陽”の部分に振りきれた楽曲になったと思います。良い意味で荒削りで、初期のゆずに通ずる“初期衝動”が詰め込まれているような気がします。

北川
今回の『イロトリドリ』はメロディにしても歌詞にしても歌にしても、ものすごく初期衝動を大切にしました。音楽的な理屈というよりは、どちらかというとフィーリングをすごく大事に、実際やってて自分たちが楽しいかとか、のれるかを重視して作った気がします。

サビ頭の「イロトリドリに」というフレーズは、キャッチーで耳にすごく残ります。この歌詞はすんなり浮かんできたんでしょうか?

北川
サビ頭の“タタタタ、タタタ(イロトリ、ドリに) ”って、ここにハマる言葉をずっと探していて、最初は悩んでいたんです。でもある日、仕事帰りのタクシーの中で「“イロトリドリに♪”あ、これだ」と閃いて。そこから慌てて帰って、夜中に書きました。そこからはわりとトントンと進んで。“イロトリドリに♪”っていう言葉でコンセプトがはっきりしていたので、すごく作りやすかったですね。

王道ともいえるストレートなサビのメロディとは一転、Aメロをはじめほかのブロックでは言葉遊びを交えてメロディが飛び交っている展開になっていますね。

北川
ついつい覚えちゃうような言葉を選びましたね。2番の「123456789 十 百 千 万 億 兆…」のところとか。なんか唄っているうちに勉強になってるみたいな(笑)。歌で覚えちゃう感じが面白いと思ったんです。

2番サビ終わりのDメロでは、これまでの曲展開から外れたノスタルジックな歌詞になっていて、胸が締め付けられました。

北川
そこは一番最後に追加しました。Dメロの次に始まる「誰もが誰かの心の太陽」に繋がる歌詞をつけたくて、でも全然違う世界観で、それを大げさじゃなく言いたかったなというのがあって。僕、逆上がりができたのが高校生になってからで、痩せて初めてできたんです。逆上がりができなかったことって、結構子供の頃のコンプレックスだったりして、そのシーンが色々出てきたりした。キンコンカンコンって音もあるので、校舎っぽいイメージも重なって、この歌詞ができましたね。

アレンジにはGReeeeNのプロデュースを務めているJINさんが参加しています。

北川
今回は最初から「ワクワクしたものを作りたい」というコンセプトがあったので、いろんな楽器を入れてセッションを繰り返していく中で、より楽曲が面白く広げられると思い声をかけました。実際お会いしたらすごく気が合って。聴いてきた音楽のルーツとかも近かったりして、すごく盛り上がったんです。

岩沢さんは『イロトリドリ』制作過程で印象に残ったことはありますか?

岩沢
うちの(悠)仁くんと向こうのJINくんのダブルJINくんで(笑)ワイワイガヤガヤとアイデアを出して盛り上がって作ったところですかね。一緒にスタジオに入れば「じゃあもう録っちゃおう!」と、それこそ初期衝動のような感じでやりました。アレンジのアイデアを考えているときにJINくんがアコギを弾いてくれたりとか、制作がよりリアルタイムに進められて。「ここはテンポ変えてこれくらいでやってみようか」という感じで、それが本番にそのまま使われるというか。嫌味じゃない実験的な曲になったし、「すごく楽しいからこれを入れてみよう」というワクワクするようなレコーディングをしていましたね。

お話を聞いていると、今回レコーディングはスムーズに進んだようですね。

北川
実はこの曲、このタイミングで出せるのが驚異的というかですね。もともと予定していたタイミングというのはかなり遅かったんです。出せても2月の末とか3月の頭ぐらいだったんじゃないかな。ちょうど2つのツアーが重なってたところにリハーサルもあったりしたんですが、その合間合間で作っていきました。アリーナツアー最終リハをやった幕張メッセで歌詞を書き上げたりとか。そういうのってはたから聞くと「さぞ大変なんでしょうね」って思われたりするけど、僕は結構楽しくて。盛り上がって進行もどんどん進んで、思ってたよりも1ヶ月前くらいに曲が完成しちゃうという(笑)。本当に楽しかったです。

レコーディング中にも初期の頃を彷彿させるドキドキ感ややり方は出てきたんですか?

北川
今回、『四時五分』のサンプリングがちょっと入ってたりするんですけど。イメージとしては『ゆずの素』というより『ゆず一家』に近いと思っています。「これ面白いからやっちゃおうよ」とか「これもいいんじゃない?」っていってやりすぎちゃうようなくだりまで含めて、すごく楽しいレコーディングでしたね。
岩沢
ただ、譜面で見るよりも意外と簡単ではない曲ではあるなと思いますね。聴いているよりも実は演奏とかをシビアにやってるというか。今までの経験を生かして、すごく一生懸命録りました。聴こえている分にはすごく楽しそうな雰囲気を出したいなというのは意識していましたね。
北川
たしかに初期衝動ではあるけど、あの頃と比べて基礎力は全然違いますよね。やれることの幅が広がっているので、やっぱりその分音楽的には大変で難しいところもあったりしたんですけど、自分としては“フォーク・オルタナティブ”というか。明るいんだけど、実質中身はオルタナな感じが要素になっているのが非常にいいなと思います。
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